なないろのとかげ
| 暴言にまみれた耳はつめたくて痛いの痛いの飛んでいけない きみがまだあの角部屋に一人いることも分かった手紙のにおい 傷ついたふりをするのが上手だね薄墨色の海ばかり見て フリスクを一箱全部ぶちまけて絶対かなしくない夜でした 先生の日記を盗み見た日からパンジーは嫌いです さようなら ひからびた鱗粉みたい 研磨剤まみれの指が膝をくすぐる パラリラパラリラパラリラがらくたの表情パラリラパラリラパラリラ 大好きというほどじゃなく八番目くらいに好きなあなた キスして 怒ったり泣いたりぶったりしてほしい矛盾だらけの嘘をばらまく なないろのとかげの尻尾ぶちまけてあなたの話にはオチがない お義父さん、高台にあるファミレスのミニサボテンを盗みたいです 胸元をさらしあってる夕暮れの第一校舎女子更衣室 何本の（世界で）避雷針が今この秋空を刺していますか |
この頬にイニシャル刻み支配してもらえませんか されたいのです 水色のシャツがこんなに似合わない日に晴れている必要はない こんなにもあかい鋼玉よりあかいくちびる見せてあげない土曜 場違いな台詞ばかりをくりかえすビデオ ふたりは葡萄をつぶす こいびとの左肩だけぬれている相合傘もう死んでもいいの 愛されていることくらい分かってるけれど奴隷の奴隷の奴隷 にせものも嘘もわたしを満たすならおんなじ だけど喉が痛いの 追憶の中のあなたの春先のめまい すき間はうめるだけです 巻き爪の痛いまひるだ けれど海老ピラフ作ってあげられるのだ 冷静になればなるほどやさしいね渡り廊下の欄干に雨 キリン♪レモン♪キリンレモンキリンレモンキリン♪レモン♪ 泣くな泣いても似合わないから 土星からあなたに送るあさがおのつぼみの中の告白の歌 |