軟弱者め
愛(かな)しいね愛(かな)しいねって揺れながら昇降口にひそむ神様 むきだしの愛をいくつも拾っては坩堝の中で混ぜる神様 必要なものはきちりと分かってて西洋たんぽぽサラダをなぶる 行きつけの整形外科でつき指を(また右小指!)みせる神様 ぎんいろのさかなの腹のずたずたの縫い目に爪をたてている まだ 「戦争を知らない子供たち」なんてイラクにも日本にももういない 許されることに慣れれば慣れるほど大人になるの 軟弱者め ゆるゆるに腐った桃の皮をむく君の(つぶれろ)指がほしいの 抱き枕けとばして寝る なんでみんなあなたを好きにならないんだろう 少しずつ延ばすきみとの再会の約束もっと飢えてください プリズムに焦がされながら七色のチョークの欠片が落ちる 助けて 混沌の入り口はもっと奥だからふるえる固い指でさぐって どうやって笑えばいいかわからない絶句するほど幸せでした ゆるぎなく甘やかされていることを信じて歩み続ける晩夏 |
すてばちなメロディライン 神様の木琴はいつ上手になるの あと少しだけぎゅっとしてキスをしてそれから埋めてもらえませんか くしゃくしゃの紙を広げたしわしわの紙に書き出す家族計画 一列に並べってまた叱られて ちょこれぃとぉはぁめ・い・じ♪ 耳鳴りが遠い 絶対嘘だって分かってるのにきみが信じる サラダ油の瓶もミルクの瓶も割る世界が平和でありますように 爬虫類マニアの指はぬれていて「逃がしたカメレオンは大きい」 曖昧に笑って笑って泣かないでなかったことにするのは得意 本当に溺れたことはないけれどきっとこういう感じだね イヤ! 絶唱で絶命したい と神様が言っていますがどうしましょうか ネット越しだけれど分かる今きみの唇はキスのかたちをしてる |