からみつくダブルガーゼのワンピースのわたしを盗みたいならどうぞ お願いはさせてあげない乾電池からだの奥から抜いてあげない 悪意ひとつ隠し通してなぜかしら青い金魚を飼いたいのです 二十二歳! 零時の風が押してくる背中だけでもまっすぐでいる この紐はほどくの禁止ひとりでも帰れる夜はひとりで帰れ 探偵に暴かれている五分前覚えたばかりの殺意 帰ろう ゆるされてくちびるつける茉莉花のにおいの汗のこぼれる目蓋 くちびるつける |
巻き戻しなんかできない一瞬を観覧車からこぼす横浜 ゆるされていないことまでしてほしい薄紫に染まる階段 守ったり守られたりもできなくて桃にささくれ作るおとうと |