なにもしないよ しんしんと眠るあなたに描きたした泣きぼくろなら悪戯じゃない 必要はないけど嘘をつきました螺旋ほどけていくクレマチス 髪きつく高く結んでたしかめる鏡 泣いても可愛くないよ 膝上にうすく残った靴下の跡なぞられる梅雨が明けない ベビースターラーメンひとつ捧げます許されたくない嘘があります 落ちたての松ぼっくりで厳粛におぼえたばかりのこんやくをした 失ったことがあるのにわからない 脱ぎ捨てていく雷雨、制服 真剣にセックスをするときの目で間違いただされている朝焼け きみがまだ立ちつくしてる八月の十字路わたしはなにもしないよ 少しずつでも確実にひび割れていくのでしたね だれかの影で |