かなしみの次元が同じひとがもしいても絶対あなたではない ブルーベリー色のインクをくちびるに塗りつけられる夜明け間際に 知らなくていいことばかり知っている微熱の広い額にふれて 麻酔からさめたみたいに思い知る 知らなくていいことなんてない くいしばり続けてきた歯 こんなにもゆるされているのに気づいてよ ほどけないリズム重ねてこれ以上埋めてもらえるところもないね かわいそうなんて今さら遅いから手櫛さくりと上げた前髪 いちにちの終わる/始まる瞬間はふるえませんか携帯金魚 うち捨ててしまえよ 古いぬいぐるみみたいにわたしを抱き続けるな はなの奥つんとしながら書き上げる秋の夜長のたより あいたい あなたではない |