わたしではない |
洗濯板みたいな胸に話したくないことがまだくすぶっている 罠だって分かってるのに近づいたわたしが悪いらしい竜胆 薄味のキャベツかじって加速度の足りない、さむい夜やり過ごす 林檎飴ひとくちもらう帰り道ぜったい渋滞してますように 胸騒ぎの音がするなら聴かせてとやさしく押しつけられる右耳 今ぼくのすべてを占めるやるせない怒りの味がするかすり傷 わたしではないひと攫う計画を覚えるほどに聞かされている さびしさを押しつけずにはいられない夜ピアスごと食べる耳朶 背中にあるネジを自分で巻いてしまうひとに静かに息づく朝を 奪われるおつもりですか薔薇色の頬のあなたとゆく遊歩道 |